日野興業株式会社

ウランバートルのトイレ事情レポート

ウランバートルのトイレ事情 (2015年7月ウランバートルのナーダムに合わせて渡蒙)

ナーダムの様子
ナーダム ウランバートル中心部の様子

モンゴル最大の祭典であるナーダムに合せ、日野興業株式会社のスタッフと株式会社エクセルシアのスタッフでウランバートルの視察に訪れました。株式会社エクセルシアは、山岳用仮設トイレを企画した際、日野興業株式会社とコラボレーションした凝固剤メーカーです。

中心部 公衆トイレ 水洗
ウランバートル中心部 公衆トイレ

ウランバートルのトイレは大きく3つに分かれます。まず都市の中心部 -旧ソ連の協力を得た都市計画に沿った地域と今新しく発展を遂げている地域 - にあります。公衆トイレもありますが数は少なく、ツーリストはレストラン、ホテル、博物館等の施設にある水洗トイレをよく使うそうです。使用料はだいたい300mnt前後、日本円で20円弱 (レート1MNT=0.06246JPYで計算) というのが一般的です。

素掘りのトイレ
素掘りのトイレ (写真は観光地 テルレジ)

ウランバートルの中心部を一歩外へ出ると、遊牧民の使うテント「ゲル」の立ち並ぶ町に入ります。ここはゲル地区と呼ばれます。都市に集中した人口の受け皿になっている地区ですが、都市計画に組み込まれていません。この地区へは電気の供給はありますが、水道/下水道の整備はされておらず、生活用水は飲料水販売所で買う必要があります。井戸や川の水を使う事もありますが、水に関して都市の中心部程自由に使えません。この地区のトイレは素掘りのトイレです。自治体等が汲み取りを行っているトイレもありますが、汚物で一杯になる度埋め、新しく穴を掘ってトイレにするケースも多く見られます。ゲル地区にある井戸は水源として行政に管理されていますが、住民が勝手に井戸やトイレを掘ることも多く、その時井戸とトイレの距離が近すぎると、井戸水が細菌に汚染されてしまう事もあり、水質が一定しているとは言えません。
ウランバートルの郊外にはズスラン地区という集合住宅に住む住人達が夏の間週末を過ごす別宅が集まった地区があります。基本的に富裕層のセカンドハウスですが、水道は引かれておらず、トイレも素掘りです。

ウランバートルの居住区の外には草原が広がっています。その草原にも所有権はあり、それを得た上でウランバートルの近くに定住している遊牧民が増えています。草原に出ると、住居用ゲルの周辺に素掘りのトイレはあるものの、あとは一面野原です。催したら、青空の下、そこがトイレになります。ただし、水辺に近い所をトイレにはしません。水資源の豊富でないモンゴルでは、昔から水が大切にされてきました。

特別仕様の高分子ポリマーを汚物処理に使用する仮設トイレ
ナーダム 特別仕様の仮設トイレ

四つ目のトイレの話です。日野興業株式会社は、株式会社エクセルシアの要請で、高分子ポリマーを汚物処理に使用する特別仕様の仮設トイレをナーダムの会場の一つに設置し、みなさまに使っていただきました。

使用後の高分子ポリマーの処理剤をゴビの緑化につなげるプロジェクトも株式会社エクセルシアで進行中です。日野興業株式会社は仮設トイレの開発とカスタムでプロジェクトに協力致します。

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